30本で依頼したはずが、37本分のベルトが出来上がってしまった。しかも、工房長の意思でカットしたベルトの長さは3タイプともすべてが短かった。
完全に失敗した。
しかし工房長を責めてはいけない。ふてくされて責任を押し付けてしまったら、ここまでやってきた答えがなにも出ない気がした。相手を否定するよりも、自分自身の、人を動かす能力の低さを認めることだと思った。
そう考えると、自分の道は出会い頭に、いつも突然の選択を迫られる。一瞬で判断しなければならないときは、頼りになるのは自分の直感しかない。だから、自分はいつでもどんなときでも自分の中心にいなければならないと思う。喜怒哀楽の感情に流れ流されていると的を外す。直感が鈍る。
この時点で、帰国まであと1週間だった。
